

おいらたちの世代にとっては、いまいちピンとこないんだけど。

それでもいまだに大晦日の風物詩だし、唯一無二の存在じゃないかな。
紅白歌合戦って?
紅白歌合戦はNHK、ひいては日本が誇る長寿番組。
今でこそ、民放各局が放送している大型特番の人気も定番化していますが、昔は大晦日といえば「レコード大賞」から「紅白歌合戦」、その後「ゆく年くる年」を家族で観るというのが、年越しのお約束コースでした。
紅白歌合戦ってどういうもの?
いまさら説明する必要もないかと思いますが、逆によく知らないという若い世代にとっては、いまさら聞けないのもあるでしょう。
NHK紅白歌合戦とは、女性アーティストを紅(あか)組・男性アーティストを白組に分けて、交互にパフォーマンスする歌番組。
テレビが普及する前のラジオ放送の時代から続いている長寿番組で、これまでに延期や中止になったことは1度もありません。
“歌合戦”と名の付くチーム対抗という体だからか、選出されるミュージシャンや歌手たちは、“出演”ではなく“出場”という言い方で紹介されます。
いつどこで放送してる?
放送日は、言わずと知れた毎年12月31日の大晦日ですね。
長く夜9時からの放送が定着していましたが、1989年に2部制になって以降は毎回7時台のスタート。
送終了は昔から11:45で固定されています。
テレビ放送はNHK総合テレビで観ることができますが、最近は地上波だけでなく高精彩が魅力のBS4KやBS8Kでも放映。
一方のラジオ放送は第1回目から現在も続いていて、最近ではネットラジオの「らじる★らじる」や「radiko」でも聴くことができます。
タクシーやトラックのドライバー、仕事中の人にとってはテレビより便利かもしれませんね。
さらに最近は、NHKオンデマンドで見逃し配信もやってます。

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会場で生パフォーマンスを観るには?
生放送収録が見られるのは、3,000人にも満たない観客のようです。
会場となるNHKホールのキャパがもともと最大3,800人なので、審査員や関係者席を考えるとそんなものなのかもしれません。
ふだんドームツアーをしている人気アーティストたちが集まる会場としては、いささか小規模な気がしますが、チケットで稼ぐイベントではないので仕方ないですね。
はい、観覧は無料です。
ただし、このプラチナチケットは抽選で選ばれた人だけが手にできる特権。
しかも2019年までは、応募方法がハガキのみというアナログ形式でした。
当然ひとりの人が何枚も応募するもんだから、毎年“ん百倍”という恐ろしい倍率で、2019年にいたっては1003倍(!!)だったそう。
まさにプラチナ!
2020年は、新型コロナの影響で史上初の無観客開催でしたが、それまでは毎年10月中旬に応募要項発表・11月初旬に締め切り、という流れで観覧者が募集されていました。
(※2023年のWEB受付期間は、10月5日11:00~19日23:59)
2021年からは再び有観客開催になった…のはめでたいのですが、応募受付が”WEBのみ”という、おじいちゃん・おばあちゃんには不親切な方法に変更。
しかも、「1契約につき1回」(当選したら2名まで入場可)という制限もあって、毎年100万件は下らなかった応募総数が激減しています。
とはいえ、2023年ぶんも16万4,229件の応募があったそうなので、プラチナチケットには変わりないですが。。

歴代最高視聴率は?
第1~3回までは正月番組だったという紅白。
毎年、番組全体の視聴率や、誰が最高視聴率を獲ったか?などが話題になります。
70回を超える紅白の歴史において、歴代最高視聴率を記録したのは、1963年開催の第14回。
番組全体の視聴率81.4%にも驚きますが、瞬間最高視聴率は五月みどりさんの『一週間に十日来い』で、驚異の85.3%だったのだとか。
娯楽の選択肢が今より少ないことを差し引いても、恐ろしく注目度が高かったんですね。
出場歌手
毎年いろんなところで物議をかもす、紅白歌合戦の出場者選考。
そういえば、昔からNHKサイドでは出演アーティストとは言わずに、「出場歌手」という言い方をしますね。
昔は、バンドやグループで出場する芸能人が少なかった、ってことなのでしょう。
ちなみに“歌手”とか“シンガー”とか、呼び方の違いが気になった人は「今さら聞けない!ボーカリストとシンガーの違いって?」を読んでみて。 歌う人を指す「ボーカリスト」や「シンガー」といった呼び方の違いはどこにあるのでしょうか?ひとことでいうと全部「歌手」ですが、ジャンルやシチュエーションに応じた使い分けを見てみましょう。 続きを見る
今さら聞けない!ボーカリストとシンガーの違いって?
出場歌手はどうやって決まる?
出場者の選考について、NHKサイドは基準として
①今年の活躍
②世論の支持
③番組の企画・演出
を中心に考えている、と公表しています。
①のCD売り上げや動画再生回数など、③の番組を盛り上げるためなど、といった観点は素人にもわかりやすい基準といえますが、問題は②の”世論の支持”。
NHKが、独自に行うアンケート調査を踏まえて決定しているとのことですが、
「世論てなんじゃいコラ?!(ꐦ°᷄д°᷅)」
「どこ見て決めとんねんワレ?(#`皿´)」
と、毎年のように選考結果に対するアツイ異論・反論が飛び交っているのは、ご存知のとおりです。
また、公表されていないので定かではないですが、大手の場合は事務所ごとに出場枠が決まっているだとか、朝ドラ主題歌やオリンピックのテーマソングといったNHKへの貢献度が影響している、といった説も昔からささやかれています。
紅白の組分けはどうやって決まる?
毎年11月下旬に、記者会見が開かれる紅白の出場歌手。
紅・白それぞれ20~30組が出場しますが、男女混合グループの場合は、メインボーカルの性別に準じるのが基本です。
ただし例外的に、メインも混声のAAAがその年によって紅になったり白になったり、トランスジェンダーの中村中さんが紅組(戸籍上は男)から出場したり、という過去はありました。
出場歌手以外の出演者はどうやって決まる?
毎回、出場歌手よりも先に決まるのが司会者。
その年の“顔”ともいうべき存在で、こちらもいつも話題になりますね。
司会とひとことでいっても、紅白の場合は「紅組司会」・「白組司会」・「総合司会」がいて、紅組司会と白組司会にはアイドルや俳優が、総合司会にはNHKアナウンサーが選ばれます。
選出方法については、出場歌手のような明確な基準は公表されていませんが、紅組・白組ともに高感度の高い芸能人ということは確かです。
総合司会は災害や放送事故、ゲストの不祥事といった不測の事態に備えて、自局のアナウンサーを使うのが基本。
ですが、タモリさんやウッチャンナンチャンの内村光良さんなど、MC慣れしている大御所タレントならオファーされるようです。
また、一応“歌合戦”のスタイルをとっている以上は、勝敗を決めるのがルール。
ゲスト審査員も、毎年10人前後呼ばれています。
その年に活躍した芸能人やスポーツ選手が選出されますが、司会者と同じく朝ドラや大河ドラマの関係者が必ず1人はいる“番宣”感に、今やツッコむ人はどこにもいません。
まあ、旬だしね。
2023年の出場歌手は?
↓2023年(第74回)の出場歌手はこんなかんじ。※50音順、( )内は出場回数。
紅組 | 白組 |
あいみょん(5) | エレファントカシマシ(2) |
新しい学校のリーダーズ(初) | 大泉洋(初) |
Ado(初) | Official髭男dism(4) |
ano(初) | キタニタツヤ(初) |
石川さゆり(46) | 郷ひろみ(36) |
伊藤蘭(初) | さだまさし(22) |
坂本冬美(35) | JO1(2) |
櫻坂46(3) | 純烈(6) |
椎名林檎(8) | 鈴木雅之(6) |
JUJU(2) | すとぷり(初) |
Superfly(7) | Stray Kids(初) |
天童よしみ(28) | SEVENTEEN(初) |
NiziU(4) | 10-FEET(初) |
乃木坂46(9) | BE:FIRST(2) |
Perfume(16) | 福山雅治(16) |
MISIA(8) | 藤井フミヤ(6) |
MISAMO(初) | 星野源(9) |
水森かおり(21) | MAN WITH A MISSION(初) |
milet(2) | Mrs. GREEN APPLE(初) |
YOASOBI(3) | 三山ひろし(9) |
緑黄色社会(2) | 山内惠介(9) |
LE SSERAFIM(2) | ゆず(14) |
注目ポイント
毎年、注目の集まる紅白歌合戦。
自分が応援しているアーティストを観る以外にも、楽しめるポイントがたくさんあります。
トリ
紅組・白組それぞれ、出番が最後のアーティストは「トリ」として、特に注目を集めます。
ベテランや大御所と呼ばれる人たちが選ばれるのが、通例です。
番組が始まってから長らく、演歌歌手がトリを務めるのがお約束でした。
しかし、1978年の第29回では山口百恵さん・沢田“ジュリー”研二さんが選ばれ、両組とも初めてポップス歌手が最後を締めくくりました。
演歌歌手の出場者が減った2000年代後半以降は、ポップス歌手のトリも増えています。
また、2013年の第64回には北島三郎師匠が紅白引退を表明していたため、両組のトリが曲を披露した後に大トリを飾ることに。
紅・白を超えた特別枠だったことから、「究極の大トリ」と呼ばれました。
のちに2018年の第69回でも、どちらの組にも属さずに特別出演したサザンオールスターズがトリの後に登場し、やはり「究極の大トリ」に位置付けらています。

最後に出る人がギャラを受け取って、その日出演した芸人たちに分配していたことから生まれた言葉だそうだよ。
同じ人が同じ曲?
紅白では原則、1組のアーティストが1曲ずつその年に発表された楽曲を披露します。
とはいえ選曲はNHKサイドの要望なので、人によっては過去のヒット曲を披露するケースも。
石川さゆりさんにいたっては、2007年以降ずっと『天城越え』と『津軽海峡・冬景色』を1年おきで歌い続けてますw
出場者サイドに決定権がないため、過去には布施明さんやHOUND DOGが、選曲を理由に紅白出場を辞退しました。

出場者や演奏曲の選定をはじめ、紅白のナゾに迫る1冊。著者は「紅白研究家」としても知られる音楽プロデューサー。
事件は現場で起きている
一時期は大注目を集めていた、小林幸子さんと美川憲一さんの豪華衣装バトルに代表される派手な演出も、紅白の注目ポイントのひとつ。
ゴージャスだったり主張が激しかったりすると、放送終了後もしばらく話題にのぼります。
「事件」と呼ばれるくらい有名なのは、このあたりでしょうか↓
- 1982年(第33回):サザンオールスターズの桑田佳祐が、三波春夫をパロった衣装と歌マネで出場し、受信料支払いを呼びかける。詫び状を求めたNHKに対して、「詫び状なんて書くくらいなら2度と出ない!」と確執に。
- 1984年(第35回):この日を最後に引退を予定していた都はるみが、大トリとして登場。異例のアンコールまで歌った彼女が喝采を浴びる中、総合司会の生方アナが「もっともっとたくさんの拍手を、みそら…」と美空ひばりの名前を言いかけ、大ヒンシュク。
- 1985年(第36回):いまや俳優のイメージが強い吉川晃司が、歌唱中にセットを破壊。終いには、ギターを燃やすというロックな演出を決行。
- 1986年(第37回):司会の加山雄三が、初出場だった少年隊の曲紹介で「白組トップバッターは、少年隊『仮面ライダー』と口走り伝説に。正しくは『仮面舞踏会』。
- 1990年(第41回):独ベルリンの壁から中継で出場した長渕剛が、「日本人スタッフはタコばっかり」と暴言を吐く。予定を無視して3曲17分も演奏したため、他の出演者が持ち時間カットを余儀なくされる事態に。
- 1991年(第42回):とんねるずがパンイチで登場。それぞれ全身を紅と白に塗り、背中には「受信料を払おう」というメッセージが。
- 1992年(第43回):もはや歌っている姿を記憶していない大人も多いモックン、こと本木雅弘が、首に白い液体を入れたコンドーム型バルーンをいくつも巻きつけて登場。加えて演奏途中でもお尻を出すという暴挙に。
- 2006年(第57回):DJ OZMAが、股間にキノコの模型が付いた全身肌色のボディスーツで登場。女性バックダンサーたちも同様の格好で全裸に見えたため、NHKに苦情が殺到。
そんな桑田さんのひとり紅白。昭和の名曲を、当時さながらの名演奏で歌ってます。まさにエンターテイナー。

