聴くたびに映画のシーンを思い出すし、自分も空を飛んでるみたいな気分になるんだ
今回は、ディズニー映画の魅力を音楽の側面からクローズアップするよ。
ディズニーソングに共通する3つの魅力
どんな映画にとっても、場を盛り上げる音楽は大切な演出要素のひとつです。
しかしディズニー作品は、音楽ありきの映画。
演出というより、切り離しては成立しないレベルの大きなウェイトを占めています。
①映像との一体化
優れた映画音楽は、シーンやキャラクターと結びついて、観る人の気持ちを盛り上げたり印象に焼き付けたりしてくれます。
通常、映画のサントラといえば映像が作られた後、それに合わせて作られるイメージがあるでしょう。
ところが、音楽が大役を担っているディズニー映画の場合、音楽に合わせて絵を作るという手法が取られることが多いのだそう。
いくつものディズニー作品の映画音楽でアカデミー賞を獲得している作曲家、アラン・メンケンも、
「私が作曲するうえで大事しているのは、どうしたら音楽で物語を綴ることができるのか。
もちろん、映像にあわせて作ることもあるが、順番は問題ではない。」
と話しています。
②ストーリーや登場人物の心情を表現
言葉がなくても伝わるのが、ディズニー映画最大の強み。
しゃべり始める前の子供から英語圏以外の大人まで、誰が観てもストーリーがわかるように作られています。
それには美しい映像だけでなく、音楽が大切な役割を担っていることは明らかです。
たとえば、『リトル・マーメイド』で、主人公アリエルが歌う『Part Of Your World(パート・オブ・ユア・ワールド)』。
よく聴くと、低音の抑えた感じから始まる歌のバックの演奏が、やがて高音を中心としたものに。
深い海の底から出て人間の住む地上に行ってみたい、というヒロインの気持ちを表現しています。
また、『アナと雪の女王』の場合は、当初の予定だとエルサは悪役という設定でした。
ところが、作詞作曲を依頼されたロペス夫妻が、エルサの複雑な感情を『Let It Go(レット・イット・ゴー)』という歌にしたことで一転。
エルサのキャラ設定からストーリー展開まで、方向性がガラリと変わったのです。
③思わず歌いたくなる不思議
ひと口に「ディズニーソング」といっても非常に多くの楽曲があり、曲調もバラバラです。
それどころか、通常ポピュラー音楽は「Aメロ→Bメロ→サビ」といった定番の流れがありますが、ディズニーソングはストーリーとともに生まれるため、このような型どおりになっていないことも珍しくありません。
それでもなぜか耳に残るのには、ある仕掛けが。
実は、ディズニー映画では共通して、主題歌やメイン楽曲のエッセンスがあちこちのシーンに散りばめられています。
つまりアレンジは違っても、1作品中に何度も同じメロディーを聴くことに。
それが耳に残るので、観おわったころには思わず鼻歌が出てしまうんですね。
ディズニー作品にこの人あり。ヒット映画の立役者、アラン・メンケンのベスト盤↓↓↓
押さえておきたいシーン別ベスト・ディズニーソング
ここからは、ボンジンミュージックが厳選したディズニーソングの数々をご紹介。
シーン別に分けているので、どんなときにもぴったりの1曲が見つかるはず。
元気になりたいとき
まずは、気分をアゲてくれるディズニーソングから。
ちょっぴり落ち込んだときも、これらを聴けばごきげんになれるでしょう。
Under the Sea(アンダー・ザ・シー):リトル・マーメイド 1989年
宮廷音楽家であるカニのセバスチャンが、人間になりたいと望むアリエルを引き留めようと、海の世界のすばらしさを歌った曲。
カリプソ(カリブ海の島で生まれたラテン音楽)の軽快なリズムに、日本人のあなたも踊りだしたくなるでしょう。
アカデミー賞歌曲賞だけでなく、グラミー賞最優秀楽曲賞も獲得しています。
↓↓↓声優をつとめたサミュエル・E・ライトの歌唱が、カニだけにとてもいい味(笑)。当時、発売されたCDもセバスチャン名義でした。
Hakuna Matata(ハクナ・マタタ):ライオン・キング 1994年/2019年
アニメ版・実写版・ミュージカル版と、どれも人気が長く続くライオン・キング。
サントラは名曲ぞろいで、この曲も作曲が主題歌も担当したエルトン・ジョン、作詞は数々のディズニー作品で伝説を作ったティム・ロスが手掛けています。
「ハクナ・マタタ」とは、「問題ない」とか「心配ない」などを意味するスワヒリ語。
ミーアキャットのティモンとイノシシのプンバアが、主人公シンバに彼らのモットーとして伝えています。
ディズニー映画は、吹替役もオリジナルに近い声を選ぶそうです。それがわかる28言語(!)の比較バージョンでどうぞ↓↓↓
Try Everything(トライ・エヴリシング):ズートピア 2016年
主人公のうさぎ、ジュディがふるさとを離れてズートピアに向かうときに、電車の中で聴いていた曲です。
オリジナルはシャキーラですが、この作品の世界ではポップスターのガゼルが歌っているという設定になっています。
「あきらめない、どんなときも!」など前向きな歌詞なので、背中を押してほしいときにオススメの1曲。
本当に生きてそこに存在しているかのような、夢を壊さないMV↓↓↓ジュディとニックにつられて、観ているこっちも笑顔になれます。
恋人といるとき
つづいて、恋する2人を盛り上げてくれるラブソング。
ロマンチックな愛の歌も、ディズニーが得意とするところですよね。
Someday My Prince Will Come(いつか王子様が):白雪姫 1937年
世界初の長編アニメ映画は、挿入歌も傑作。
小人たちに歓迎パーティーを開いてもらったヒロインが、ある青年へ抱いた淡い恋心を歌うシーンで使われました。
この名曲は、やがてジャズ界でもスタンダード・ナンバーとなり、ビル・エヴァンスやマイルス・デイビスをはじめ、たくさんの大物ミュージシャンにカバーされています。
Sing Alongシリーズなのに声高すぎねーか?!歌唱を担当してるのも、白雪姫役のアドリアナ・カセロッティです↓↓↓
Beauty and the Beast(美女と野獣):美女と野獣 1991年/2017年
エマ・ワトソン主演の実写版の記憶も新しい本作を象徴する、名バラード。
互いに惹かれ合う主人公ベルと野獣が、シャンデリアが輝く大広間でダンスするという、ロマンチックなシーンをさらに印象的にしています。
この曲はアカデミー賞と2つのグラミー賞、さらにはゴールデングローブ賞まで受賞しました。
アニメ版ではセリーヌ・ディオン&ピーボ・ブライソン、実写版ではアリアナ・グランデ&ジョン・レジェンドがタッグを組んで、シングルリリースされました↓↓↓
A Whole New World(ア・ホール・ニュー・ワールド):アラジン 1992年/2019年
主人公アラジンが、憧れのお姫様ジャスミンを連れて魔法のカーペットで空を飛ぶシーンは、映画の最大の見せ場。
それを何倍にも魅力的で印象深くしているのが、この名曲です。
リスナーを空の旅にいざなってくれるような、壮大なスケール感。
夢と希望に満ちた歌詞やアレンジが、聴くたびに必ず前向きな気持ちにさせてくれます。
アニメ版ではレジーナ・ベル&ピーボ・ブライソンが、実写版では元ワン・ダイレクションのゼインと当時新人だったジャヴァイア・ワードが、それぞれ美声を聴かせてくれてます↓↓↓
おひとり様で過ごすとき
ディズニーは、おひとり様で過ごす大切な時間のお供にもぴったり。
亡き人を偲んだり、願いを唱えたり、自分を見つめなおしたり…人生のさまざまな場面で、道筋を照らしてくれるでしょう。
Remember Me(リメンバー・ミー):リメンバー・ミー 2017年
日本では『リメンバー・ミー』という邦題で公開されましたが、原題は『Coco』。
ココというのは主人公ミゲルのひいおばあちゃんの名前で、ミゲルが彼女に向ってこの歌を弾き語りしたところ、なんと昔の記憶がよみがえりました。
メキシコを舞台にしたお話なので、主題歌にも英語とスペイン語の両方が登場します。
故人からのメッセージ的な歌詞ですが、悲しいよりあたたかい名曲。シングルver.はアメリカ人のミゲルとメキシコ人のナタリア・ラフォルカデがデュエットしています↓↓↓
When You Wish Upon a Star(星に願いを):ピノキオ 1940年/2022年
もはや説明不要の傑作で、ディズニー初のオスカー獲得もこの曲でした。
映画音楽というくくりを抜きにして、20世紀を代表する名曲と言っても過言ではないでしょう。
ディズニー作品でも必ずオープニングロゴのバックに流れているほどで、ブランドを象徴するのにふさわしい、誰もが認める美メロなのです。
これを子守歌に育ったという人も、多いかもしれませんね。
アニメ版では、コオロギのジミニーを演じたクリフ・エドワーズが歌ってます↓↓↓超いい声。
Let It Go(レット・イット・ゴー~ありのままで~):アナと雪の女王 2013年
公開当時に日本でも「アナ雪」ブームが巻き起こったので、これも知らない人はいないでしょう。
前出のロペス夫妻はミュージカル女優のイディナ・メンゼルを想定し、彼女に合わせた音域で作ったのだとか。
実際にエルサの声優に抜擢された彼女は演技も歌唱もハマり役で、みごと夫妻の期待に応えました。
松たか子の日本語ver.も国内外で大人気に。
作品名の原題は『Frozen』。名前のとおり、全編を通して雪景色の美しさも見どころです↓↓↓
ついつい歌いたくなっちゃうんだよなぁ。
みなさんも、お気に入りの1曲をぜひ見つけてください。
どちらかというとお子さまより大人にうける選曲のベスト盤↓↓↓