音の呼び方を理解しよう
今回お伝えしたいのは、初心者にしってほしい「きほん」の「き」。
音の呼び方
これから音楽に本格的に取り組もうというミュージシャンや音楽初心者にとって、最低限知っておきたい音楽理論がいくつか存在します。
そのとっかかりとして、まず最初に知ってほしいのが「音名」と「階名」。
両方をひとことで言うと、音の呼び方のことです。
スケール(音階)やコード(和音)を理解するためにも必要なので、最初に覚えてしまいましょう。
ちなみに、「音楽理論覚えるって、先どんだけ長いんだよ!」と思ったアナタは別ページ『最低限必要な音楽理論とは?勉強嫌いもこれだけは抑えよう!』もチェキ↓↓↓
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音名とは
音名というのは、それぞれの音に付けられた固有の名前。
絶対的な音の高さで表されているので、楽譜を書いたり誰かに口頭で伝えたりするときなどに使われます。
ただし、音名は国によって言い方が異なるので、最初はちょっぴりややこしく感じられるかもしれません。
国名 | 音名 | ||||||
イタリア | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
アメリカ | C | D | E | F | G | A | B |
ドイツ | C(ツェー) | D(デー) | E(エー) | F(エフ) | G(ゲー) | A(アー) | B(ベー) |
日本 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
クラシックの世界ではドイツ語が基本です。一方でジャズやロックなどは英語で呼ぶのが一般的。
表にしたこの4つの言語の呼び方すべてを覚えるのが理想的ですが、「こんなに覚えられないよ」という人はイタリア式とアメリカ式2種類だけを優先して覚えましょう。
こうして並べると、4カ国語の中で日本語だけちょっと浮いて見えますよね。
確かに海外では通じない…でも、小学校の音楽の時間に「ハ長調」とか「ト短調」とか聞いた覚えないですか?え?そんな昔のこと覚えてない?
日本人だからといって、ポップスやロックのミュージシャンが音名を日本語で呼ぶことはまずありません。
が、今でも初心者向けの楽器の教則本などでは、この日本式表記をたま~に見かけることがあるので、余裕のある人は覚えておくと良いでしょう。
階名とは
固有の名前なので、どの音を指すのか特定するのに便利な音名ですが、対して階名は基準となる音(主音)からの高さによる呼び方。
絶対的な音の高さを表すのが音名なら、階名は相対的な音の高さを表す名前となります。
言い換えると、階名とはそのキー(調)の中での「ドレミファソラシド」のことです。
階名も国によって表記の仕方がありますが、日本ではイタリア語の音名をそのまま階名として使っています。
ドはどこに?
結局どういうことなのか混乱しているみなさんは、もうちょっとだけお付き合いを。
吹奏楽部あるあると実音
上記の説明でチンプンカンプンになってしまったという人のために、管楽器に置き換えて説明しましょう。
たくさんの種類の管楽器で編成されるブラスバンドですが、それぞれ楽器によってキー(調)が違うことをご存知でしょうか?
たとえばアルトサックスは「E♭管」で、トランペットは「B♭管」。
両者のドレミファソラシは異なる音なのです。
アルトサックス | |||||||
イタリア音名 | ミ♭ | ファ | ソ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ |
アメリカ音名 | E♭ | F | G | A♭ | B♭ | C | D |
階名 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
トランペット | |||||||
イタリア音名 | シ♭ | ド | レ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ |
アメリカ音名 | B♭ | C | D | E♭ | F | G | A |
階名 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
実音というのはピアノを基準にした音の呼び方。
つまり、実音のドというのは音名のドのこと。
音名と階名と言われても一瞬「どっちがどっちだっけ?」となる人も多いため、実音で伝える方がわかりやすいのです。
アルファベットと同じくAからにした方がわかりやすかったのに。
《おまけの話》どうしてドはAじゃなくてCなの?
その謎を紐解くのには五線譜の生まれるはるか昔、11世紀ころの中世ヨーロッパまで歴史を遡る必要があります。
当時の合唱隊において、大多数の男性が出せる最低音が低いソだったため、ここを「γ(ガンマ、つまりG)」と呼ぶことにしました。
そしてその1つ上にあるラの音から順にABC…と名付けたのだそう。
すると、
γ A B C D E F
Cの音が真ん中に。
この真ん中にくるCの音が、合唱隊の基準音として定められました。
また、この時代の楽譜は五線ではなく四線だったのですが、楽譜を見た時すぐにどこがドの音なのかわかりづらい。
そこで、アルファベットのCを模った「ハ音記号」が考案され、ますますCを中心とする音楽が発展していったのです。
↓↓↓↓↓これがそのハ音記号↓↓↓↓↓
初めて目にする人も少なくないでしょう。
はい、つまり初心者の皆さんはまず使うことがない記号なので安心してください。
まとめると、
どうしてドはAじゃなくてCなのか
ラからアルファベット順に名前が付けられた後にCが中心音に定められたから
この話は覚える必要はありませんが、知っておくと音楽通としてちょっぴり鼻が高くなりますよ。
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