今回は音階(スケール)について覚えよう。
規則性がわかれば難しいものではないから、まずはいったん最後までさっと読み進めてみて。
わからないところは、後からまたじっくりと読み直してみてね。
音階
音階というは、音の並び方のこと。
まずは、基本となるダイヤトニックからメジャー・スケールまでを、ざっくりみていきましょう。
音階(スケール)とは?
音階とは音の配列、つまり並び方のこと。
音階は
C・C#(D♭)・D・D#(E♭)・E(F♭)・F(E#)・F#(G♭)・G・G#(A♭)・A・A#(B♭)・B
という12個の音のうち、7つの音を規則的に並べます。
文字通り、階段のように7音を積み重ねるから「音階」なんですね。
ここからは半音と全音で説明するから、「え?何それ?!美味しいの??」というあなたは、先に音程について解説したページを読んでくださいね。
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【音楽理論これだけは】③音程を理解して音と音の距離を表そう
音と音の距離を意味する「音程」。理論を抜きにしても、歌や楽器を演奏するうえで意識しない人はいないでしょう。スケールやコードの基礎にもなるので、じっくり理解しましょう。
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全音階(ダイヤトニック・スケール)
すべての基本になる音階が、全音階(ダイヤトニックスケール)です。
全音5つと半音2つからなる音階で、その中に長音階(メジャー・スケール)や短音階(マイナー・スケール)などがあります。
たとえば、ピアノで見た時に白鍵だけを使うダイヤトニック・スケールは
「ド レ ミ ファ ソ ラ シ(CDEFGAB)」
または
「ラシドレミファソ(ABCDEFG)」
です。
ここではわかりやすくCから始めましたが、ダイヤトニック・スケールは12音すべてを基準に作ることができます。
初めはまずダイヤトニック・スケールをマスターしようね。
長音階(メジャー・スケール)
長音階(メジャー・スケール)とは、1オクターブ(8音)の音が下から
「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」
という間隔で並んだ配列のこと。
たとえば、わかりやすくピアノでいうと白鍵だけを使うメジャー・スケールの場合、
1つ目の音(=主音)がC(ハ)なので、この音階のことを「Cメジャー・スケール(ハ長調音階)」といいます。
C(ハ)に限らず、同じ「全・全・半・全・全・全・半」の間隔で並んでいたら、主音が別の音でもメジャー・スケールです。
たとえば、
この音階は主音がF(ヘ)なので、「Fメジャー・スケール(ヘ長調音階)」ということになります。
メジャー・スケールは避けて通れない
ポップスやロックといった現代音楽には、「キー(調)」という概念が付いて回ります。
メジャー・スケールはそのキーを作る重要な要素で、考え方の基礎。
ほかにも、
・コード(和音)の構成音を把握するため
・ギタリストやキーボーディストがソロを考えるとき
・ベーシストがベースラインを考えるとき
・ボーカリストがコーラスワーク(ハモり部分)を考えるとき
などさまざまな場面でメジャー・スケールが役立ちます。
短音階(マイナー・スケール)
ここまで解説してきたメジャー・スケールが“明るい響き”を感じるのに対して、短音階(マイナー・スケール)は“暗い響き”に聴こえるのが特徴です。
マイナー・スケールもメジャー・スケールと同じ、音の並び方のこと。7つの音を規則的に並べます。
ただし、マイナーの場合は3種類あるのがクセ者。
自然的短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)
自然的短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)とは、1オクターブ(8音)の音が下から
「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」
という間隔で並んだ配列のこと。
たとえば、こちらもピアノで白鍵だけを使うナチュラル・マイナー・スケールの場合、
1つ目の音(=主音)がA(イ)なので、この音階のことを「Aナチュラル・マイナー・スケール(イ短調自然的短音階)」といいます。
和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)
和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)とは、ナチュラル・マイナー・スケールの7つ目の音(全音)を半音上げた音階。
「全音・半音・全音・全音・半音・増2度(=全音+半音)・半音」
という配列になります。
「これぞマイナー・スケール!」というエモい音階ですね。
旋律的短音階(メロディック・マイナー・スケール)
旋律的短音階(メロディック・マイナー・スケール)は、ハーモニック・マイナー・スケールの第6音を半音上げた音階で、配列は
「全音・半音・全音・全音・全音・全音・半音」
です。
また、メロディック・マイナー・スケールだけは前述の2つのマイナー・スケールと違って、上昇時と下降時が違うというひっかけが隠されています(!)。
下降時はナチュラル・マイナー・スケールと同じです。
次にマイナー・スケールだけど、1つ目のナチュラル・マイナー・スケールだけ先に覚えましょう。
これら2つを覚えるためなら、ハーモニックとメロディックは後回しでもOK!