YOASOBIは、その中のグローバル・ランキングで1位になったんだ。
非英語圏、それもアジアのグループが首位なんて、まさに快挙だよ。
ビルボードとは?
ビルボードといえば、洋楽ファンにとっては1年じゅう目にする単語ですよね。
洋楽雑誌やラジオなどで「ビルボード・チャート〇週連続1位」などと、どのくらい曲がヒットしているかを説明する定番表現になっています。
しかし実際、音楽ファンの中でも「ビルボードとは何か?」と聞かれた時、きちんと答えられる人はそう多くないのではないでしょうか?
ビルボードの歴史
ビルボード(Billboard)というのは、アメリカの音楽情報誌の名前。
この週刊誌で扱う音楽ランキングが有名で、そのランキングの総称でもあります。
創刊は1894年という古い歴史があり、シングル100位チャート(Hot 100)も1955年にはすでに原型が生まれていました。
やがて、ビルボード誌の存在は音楽業界の発展とともに拡大。
いまでは同誌が扱うランキングは、世界で最も権威があるとされています。
そんなHot 100で、2020年に初登場1位を獲得したBTS『Dynamite』↓↓↓
チャートはどうやって決まる?
よく日本の「オリコン・チャート」と比較されますが、オリコンはCD売り上げのみを集計するスタイル。
対してビルボードは、アメリカ全土でのレコード・CD売り上げやラジオリクエスト、オンエア回数などを集計した総合ランキングです。
さらに、ビルボード・チャートというと「Billboard Hot 100」、または「Billboard 200」が有名ですが、それ以外にジャンル別でもチャート集計されています。
チャートごとに担当者が決まっていて、最終的な順位はすべてその人たちが決定しているそう。
昔からヒットの基準を売り上げだけで判断せず、さまざまな要因から総合的に見ていて、時代に合わせた基準になるよう現在も試行錯誤を続けているのはさすがです。
チャートの種類
音楽ジャンル別でも、ビルボード・チャートが発表されているのは前述のとおりですが、ではチャートにはどのような種類があるのでしょうか?
Billboard Hot 100
「Billboard Hot 100」は、いわゆるシングル曲の最新ヒット100位までのチャート。
現在では、シングルカットされていない曲も対象になっているため、正確には“シングル曲”ではなく“楽曲”ランキングという方が正しいかもしれません。
集計対象は、レコードショップやネットショップでのCD売り上げや、ラジオでのエアプレイ回数。
そこに2005年からはダウンロード数、さらに2012年からはSpotifyやYouTubeなどのストリーミング再生数も加わりました。
Billboard 200
シングル曲をランキングしたBillboard Hot 100に対して、「Billboard 200」はアルバムの200位までのチャート。
EP(4~6曲入りCD)もここに入ります。
Hot 100と同じく、集計対象はレコードショップやネットショップでのCD売り上げやダウンロード数、ストリーミング再生数。
さらに現在では、アルバムに収録された曲のうち個別でダウンロードされたものも対象となっています。
Billboard200でTOP40入りという快挙!BABY METLアルバムはこちら↓↓↓
ジャンル別チャート
前述したように、ビルボードはジャンル別にもチャートが設けられています。
載せきれないくらいの数がありますが、日本でもまれに話題にのぼる人気チャートをいくつかご紹介します。
ポップス系
・Pop Songs(ポップ・ソング)
・Adult Contemporary(アダルト・コンテンポラリー)
・Adult Pop Songs(アダルト・ポップ・ソング)
カントリー系
・Hot Country Songs(ホット・カントリー・ソング)
・Top Country Albums(トップ・カントリー・アルバム)
・Bluegrass Albums(ブルーグラス・アルバム)
・Americana/Folk Albums(アメリカーナ/フォーク・アルバム)
ロック系
・Hot Rock & Alternative Songs(ホット・ロック&オルタナティブ・ソング)
・Top Rock Albums(トップ・ロック・アルバム)
・Hot Alternative Songs(ホット・オルタナティブ・ソング)
・Alternative Albums(オルタナティブ・アルバム)
・Hot Hard Rock Songs(ホット・ハードロック・ソング)
・Hard Rock Albums(ハードロック・アルバム)
R&B/ヒップホップ系
・Hot R&B/Hip-Hop Songs(ホット・R&B/ヒップホップ・ソング)
・Top R&B/Hip-Hop Albums(トップ・R&B/ヒップホップ・アルバム)
・Hot R&B Songs(ホット・R&B・ソング)
・Top R&B Albums(トップ・R&B・アルバム)
・Hot Rap Songs(ホット・ラップ・ソング)
・Top Rap Albums(トップ・ラップ・アルバム)
その他
上記以外にもラテン系やクラシック系、ジャズ系をはじめとする詳細なジャンル別のチャートや、過去から現在までの人気曲・人気アーティストを集めた歴代チャート、国別チャート(日本のもあります)など、ビルボードは本当にすごい数のチャートを扱っています。
ちなみに、前述のYOASOBIが1位に輝いたのは「Global Excl. U.S.」という、アメリカを除いた世界チャートです。
YOASOBIお得意のアニメ主題歌が、世界に羽ばたきました↓↓↓
いまでも世界中でカバーされ続けている名曲だから、さくらだくんもきっと知ってるはず。
日本人とビルボード
BTSの活躍も同じアジア人として嬉しくはあるものの、日本人としてはやっぱり日本人アーティストの活躍が気になりますよね?
残念ながら、これまでに日本人アーティストのビルボード・チャート・インは、数えるほどしかありません。
SUKIYAKI
日本人が初めてビルボードHot100にチャート・インしたのは、1963年5月のこと。
日本では1961年にすでにヒットした、坂本九さんの「上を向いて歩こう」です。
ご存知の人も多いかと思いますが、タイトルを「SUKIYAKI」に変えたこの曲は全米で大ヒット。
Hot 100の79位にチャート・インしたかと思ったら、翌月にはまさかの第1位を獲得!
3週に渡って首位を守りました。
最終的にレコードは全米で100万枚以上のセールスとなり、翌年には外国人初のゴールドディスクまで受賞しています。
『Boogie Oogie Oogie』のヒットで知られるテイスト・オブ・ハニーにもカバーされてまっせ↓↓↓
そのほかの日本人の成績は?
歴史的快挙を成し遂げたSUKIYAKIに続くヒットを期待したいところですが、残念ながらそれ以降いまだに、日本人のHot100での目立った活躍は見られません。
たとえば、日本では驚異的な人気を誇った伝説のピンク・レディーは37位、世界の坂本龍一教授率いるYMO (イエロー・マジック・オーケストラ)は60位、倖田來未や宇多田ヒカルに至ってはチャート圏外。
最も新しい活躍は、2016年のピコ太郎の77位となっています。
↓↓↓一世を風靡したPPAP。なつかしす。
洋・邦ミックスのランキングなので、オリコンじゃ物足りない人におすすめです。
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