せっかくのマイマイクが宝の持ち腐れにならないように、使い方をマスターしようね。
マイマイクの選び方については、こっちのページをご覧ください↓↓↓ マイマイクはどういう基準で選べばよいのでしょうか?メーカーサイトや通販サイトを覗いてみても、専門用語だらけでチンプンカンプン…。そんな初心者向けに、マイクの選び方や具体的なおすすめボーカルマイクをご紹介します。 続きを見る
【購入前の基礎知識】マイクの選び方とおすすめボーカルマイク
マイクは大切に!取り扱いについて
マイクも他の楽器や機材と同じく、その取り扱いにはいくつかの注意点があります。
間違っているとマイクの寿命を縮めるだけでなく、突然大きな音をさせて周囲が迷惑したり、音響機材が故障する原因になることも。
歌に使う前に、まずはマイクの正しい取り扱いについて覚えておきましょう。
たたかない・息を吹きかけない
マイクが入っているかどうか確認しようとして、ポンポンたたくのはNG。
乱暴にゴンと置くのもダメです。
こうした振動は直接マイクに伝わって大きな低音になるため、スピーカーやアンプに悪影響を及ぼします。
最悪の場合、故障させてしまう恐れも。
また、マイクに「ふーっ」と息を吹きかけるのも良くありません。
そもそも、マイク自体が湿気を避けるべきものですからね。
スピーカーに向けない
マイクを使っていて、「キーン」という高い音や「ボー」という低い音など、スピーカーから不快な音が鳴り響いた経験はないでしょうか?
これが、いわゆる「ハウリング」です。
スピーカーに向けられたマイクは、スピーカーから出ている音も拾おうとします。
拾った音がスピーカーから出て、それをまたマイクが拾う…これがハウリングの原因です。
ハウリングを防ぐには、まずはマイクとスピーカーを離すこと。
そして、グリル(マイクの先端部分)をスピーカーに向けないよう注意して、可能であれば事前にスピーカーの向きを調整しておきましょう。
それでもダメならマイクの音量を下げたり、使用するマイクの本数を減らしたりするのが有効です。
また、ハウリングが起こったとき反射的にグリル(マイクの先端部分)を手で覆いがちですが、むしろ逆効果だということも覚えておいてください。
いきなり抜かない
音量を上げている状態でマイクケーブルを抜き差しすると、スピーカーから「ブツッ」というノイズ音が聞こえます。
これは、音響機器に負担をかけている証拠。
ケーブルを抜き差しするときは、ミキサーのマイクチャンネルをOFFにするかボリュームゼロにする、もしくはスピーカーやアンプの電源を落とす、のが基本です。
また、コンデンサーマイクの場合は、ファンタム電源もOFFにしてください。
このときケーブルはすぐには抜かず、20秒くらい待ってから抜きましょう。
これは、ファンタム電源をOFFにしても、コンデンサー側に電圧が残っているためです。
あなたはやってない?マイクの間違った持ち方
続いて、マイクの間違った持ち方をご紹介。
キャラづくりやビジュアルにこだわって、わざとやっているボーカリストもいますが、マイク本来の原理からすると“もったいない”使い方といえます。
何より無意識にやっている人も多いので、改めて自分のマイクの持ち方を確認しておきましょう。
グリル持ち
グリル(マイクの先端部分)を握ってしまうと、音がこもったりハウリングを起こしたりします。
正確にいうと指をかけるだけでも音質が落ちるので、クセになっている人はすぐに直しましょう。
たとえば単一指向性マイクの場合、正面の音を拾うように空気穴があるのですが、グリルを指で覆ってしまうと穴がふさがるため、周囲の音をすべて拾う無指向性マイクと同じになってしまいます。
ご存知のとおり、有名ミュージシャンの中にも”グリル持ち”をしている人はいます。
しかし、あれは特殊加工されたマイクを使っていたり、そもそも口パクだったり(!)することも珍しくないので、安易にマネしない方が良いでしょう。
水平持ち/斜め持ち
正面から見た時に口の前のマイクがまっすぐ縦になっている”水平持ち”は、正しいと思われがちですが、実は声が拾いにくい持ち方。
また、ラッパーに多いおしり部分を上げる”斜め持ち”も、マイクの原理からするとあまりオススメできません。
ボーカルマイクは、横から見た時に顔とマイクが垂直になるように持つのが基本。
声量がある人の場合は、おしり部分が多少上下した角度でも大丈夫ですが、基本的には垂直に構えるのが良いでしょう。
(タモさん's水平持ち)
両手持ち
可愛らしく見えるので、アイドルのキャラづくりには有効な”両手持ち”ですが、これもオススメできない持ち方です。
というのも、両手で持とうとすることで、グリル部分やケーブルとの接続部分に触れてしまう可能性が。
グリル持ちの影響については前述したとおりですが、グリルの反対側(おしりの部分)にも指をかけないのが正しい持ち方。
接続不良を起こしてノイズが入ったり、場合によってはケーブルが抜けてしまう恐れがあるためです。
ワイヤレスマイクの場合も、おしり部分から電波を飛ばすので、ここをふさいではいけません。
マイク位置を安定させる目的などで両手持ちをしたいときは、中心部分に両手を重ねて持ちましょう。
マイクの正しい使い方
ボーカルマイクは、どんな位置や角度でも声を拾ってくれるわけではありません。
聴く人に声が届くように、そして何より自分が気持ちよく歌えるように、マイクが声を拾いやすいような使い方を意識しましょう。
マイクの位置
ボーカルマイクは、グリル(先端の網のところ)のトップ部分で音を拾います。
つまり、ここに声が当たらないと声が拾いきれず、歌が小さくなってしまうのです。
なので、マイクは横から見た時に顔と垂直(床に対して並行)になるように、そしてグリルのトップが口の正面にくるように持ちましょう。
声が出る方向に対してまっすぐマイクの先端がきているか、つまり前述した“水平持ち”や“斜め持ち”になっていないか、鏡の前で一度チェックしてみることをオススメします。
どこを握るか
先ほども説明したように、マイクはグリルだけでなく尻尾の部分にも触れないよう注意が必要です。
つまり、中心あたりを持つのが適切。
また、常にぎゅーっと握っていると腕や肩にも力が入り疲れるだけでなく、発声にも影響しかねません。
感情を込めるなどで必要がある時以外は、握る手に余計な力が入らないようにして、マイク位置をキープしましょう。
距離
唇とマイクは、2~5cmくらい(指でいうと2~4本ぶん)離すのが一般的です。
もちろん、声量やバックの音量とのバランスによっては、もっと近づけた方が良いケースもあるでしょう。
ただし、マイクが近いとボワボワとした音質になることも多いので、注意が必要になります。
場合によってはグリルに唇をくっつけた、いわゆる「ゼロ距離」で歌うのもアリ。
声質や音楽ジャンルによっても違ってくるので、自分に合った距離感をつかむことが大切です。
上級編 マイクをさらに生かすための知識
ここからはちょっぴり上級者向け。
よりいっそうマイクを味方につけたボーカリストになるために、押さえておきたい知識をお伝えします。
ポップノイズ
口の近くにマイクがあると、直接マイクに息が当たって「ボン」とか「ポフッ」という耳障りな音が生まれることがあります。
これは「ポップノイズ」または「吹かれ」と呼ばれる現象。
レコーディングではこのポップノイズを防ぐために、ポップガード(金魚すくいの“ポイ”に似たあれ)が使われるのが通常です。
しかしライブではポップガードが使えないので、代わりにマイクカバーをするか、基本的にはマイクを離すことで対処しましょう。
あまりに毎回ポップノイズが出るという人は、発音の仕方を訓練で変える必要があるかもしれません。
近接効果
基本的にボーカルマイクは単一指向性ですが、指向性マイクは音源(歌の場合は口元)に近いと低音域が強調されます。
この現象をマイクの「近接効果」と呼びます。
単一指向性は一方向から音を拾うタイプのマイクのことで、対して無指向性(全指向性)の場合はマイクと音源が近くても近接効果は発生しません。
(※単一指向性と無指向性については、別ページで解説しています。)
近接効果によって、音(声)に力強さや深みが出るというメリットがある一方で、距離によっては音が濁ってモワッと聞こえてしまうことも。
自分の声とマイマイクとの、ほどよい距離感を意識して歌いましょう。
オンマイク/オフマイク
マイクと音源が近いことを「オンマイク」、遠いことを「オフマイク」と呼びます。
唇に対してマイクがこぶし1個ぶん(10cm)以内の位置にあるのが、オンマイク。
ウィスパーボイスやエッジボイスといったボーカルの息づかいや、細かなニュアンスを表現するのに向いています。
ライブなどで、マイクを食べちゃう勢いで歌っている人がいますが、あれなんてめっちゃオンマイクの状態です。
一方、パワフルなシンガーやロッカバラードを歌う時のボーカリストなどに見られる、マイクを離した状態がオフマイク。
人によっては50cm近く離している時もありますね。
曲中に声量が上がるタイミングでマイクを遠ざけることで、適度なボリュームを保ったままダイナミックな表現ができます。
(ゴッド姉ちゃんは基本オフマイク)