JBやダイアナ・ロスといった多くの大物ミュージシャンを輩出している、ブラックミュージックの聖地のような場所。
名物「アマチュアナイト」での優勝は今でも栄誉とされているよ。
アポロ・シアターとは?
老舗クラブ「アポロ・シアター」は、アメリカの黒人音楽の歴史を語るうえで欠かせません。
昔はニューヨークで唯一、黒人出演者を雇う劇場だったこともあり、黒人文化の象徴としても大切な存在なのです。
アポロ・シアターの歴史
ニューヨークのハーレムに位置するアポロ・シアター(Apollo Theater)は、アメリカで最も有名な音楽クラブのひとつ。
年間およそ130万人もの人々が押し寄せる、人気の観光地でもあります。
もともとはダンスホールだった施設を、1872年に劇場としてオープン。
今の建物は1913年に建てられました。
そこから何度かオーナー変更を経て、1975年には資金難などを理由に一時閉館しましたが、1983年に復活。
現在は、非営利団体により運営されています。
↓↓↓日本では公開されていませんが、2019年制作のドキュメンタリー映画はエミー賞を受賞しています。
ハーレムってどんなとこ?
アポロ・シアターがあるのは、ニューヨーク市マンハッタン区ハーレムの中心地。
今でこそハーレムといえば“黒人の街”というイメージですが、1900年代あたりまではオランダ人の別荘が建ち並ぶ高級住宅地でした。
ちなみに、「ハーレム」はオランダ語で「楽園」という意味です。
しかし、そんな楽園のような高級住宅の数々も、その後の不況で空き家が続出。
そこへ仕事を求めた黒人(アフリカ系アメリカ人)たちが、移り住んだのです。
以来、最近まで治安が悪いエリアとなっていましたが、治安改善政策により環境が改善。
街の再開発も進み、観光客も増えてきました。
アマチュアナイト
1934年から続くアマチュアナイトは、アマチュアの歌手やダンサーが出演する人気イベント。
錚々たる大物ミュージシャンがここから巣立ったとあって、今でも世界各国の猛者たちが腕を競いに集まります。
アマチュアナイトとは
アマチュアナイト(Amateur Night)は、毎週水曜の夜に開催されているアマチュアコンテスト。
音楽史に名を残す有名アーティストを多く輩出していることから、今でもアマチュアの歌手やダンサーにとってはプロへの登竜門です。
審査方法はいたってシンプル。
観客の拍手が多い人が優勝です。
逆にパフォーマンスが気に入らないと、観客から容赦ないブーイングが。
曲の途中でもピエロがステージに入って来て、ほうきで掃き出されてしまいます。
夢の階段はこんな感じ。
水曜の夜に優勝
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月1のステージ「ショー・オフ(Show Off)」へ
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ショー・オフで優勝
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3か月に1度のステージ「トップ・ドッグ(Top Dog)」へ
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トップ・ドッグで優勝
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毎年11月に年間チャンピオンを決める「スーパー・トップ・ドッグ(Super Top Dog)」へ
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スーパー・トップ・ドッグで優勝
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賞金2万ドル(およそ200万円)および「ショータイム・アット・アポロ(Showtime at the Apollo)」というテレビ番組への出演権ゲット
アマチュアナイト出身者
アマチュアナイトがなぜ今でも注目されるかというと、錚々たる面子がここから巣立ったからにほかなりません。
出身と言われる主なミュージシャンにはこんな↓↓↓大物たちの名前も。
アレサ・フランクリン
ベン・E・キング
ビリー・ホリデイ
ディアンジェロ
ダイアナ・ロス
エラ・フィッツジェラルド
H.E.R.
ジャクソン5
ジェームス・ブラウン
ローリン・ヒル
ルーサー・ヴァンドロス
マーヴィン・ゲイ
サラ・ヴォーン
スティーヴィー・ワンダー
(アルファベット順)
どうやったら出られる?
アマチュアコンテストではありますが、出る前にはまずオーディションに合格しなければなりません。
HPからオンラインでエントリー、または受付日に会場に直接行くという方法があります。
参加資格は18歳以上で、キッズ部門は別。
キッズでも賞金5,000ドルもらえるあたりがスゴイ。
アポロ・シアターと日本人
こうなると同じ日本人の活躍も気になるところ。
過去には日本人アーティストもこの劇場でパフォーマンスしていて、そのうち数人はすばらしい結果を残しています。
日本人のアポロ・シアター出演経験者
アマチュアナイトに出演経験のある日本人メジャーアーティストには、平井堅さんや清水翔太さん、ナオト・インティライミさんなどが挙げられます。
最近では、大泉洋さんの事務所の後輩で天然ボケキャラが人気の島太星さんも出演しました。
和田アキ子さんもアマチュアナイトであはりませんが、2008年にソロ歌手としてはアジア人初となる、アポロ・シアターでの単独公演を行っています。
お笑い芸人にも挑戦者がいて、相撲芸人のあかつさんやでこぼこコンビのビッグスモールン、ロバートの秋山さんなどがアマチュアナイトの舞台を踏みました↓↓↓
優勝している日本人も!
アマチュアナイトに出演しただけでもすばらしい経験ですが、さらにそこから結果を残している日本人も。
近年で最も話題になったのが、2019年のスーパー・トップ・ドッグで優勝した高橋あず美さんでしょう。
ほんまスゴイ!!
ところが、日本人は歌手よりもダンサー陣の活躍に目覚ましいものが。。
グループではHANDSIGNやLina World、ソロでは田中傑幸さんがアマチュアナイトで優勝しています。
さらに2001年には7人組のBiTriPが、2005年には欅坂46などの振付で有名なTAKAHIROさんが、それぞれスーパー・トップ・ドッグでも優勝。
加えて、TAKAHIROさんは2006年のショータイム・アット・アポロで9回連続優勝、BiTriPのリーダー蛯名健一さんもその翌年に7回連続優勝という快挙を成し遂げています。
脱帽!
高橋あず美さんのトップ・ドッグの様子↓↓↓堂々たる歌い上げです。すばらしい!
2019年からは「アポロ・アマチュアナイト・ジャパン」なる大会も開催されてるよ。