ラストで流れた曲に感動しちゃった。
映画の成功とともに、古き良き名曲がリバイバル・ヒットしたんだ。
2度ヒットしたスタンダード
映画に詳しくない人でも、「スタンド・バイ・ミー」の存在はご存じでしょう。
そして、主題歌も1度は耳にしたことがあるはず。
まずは、映画よりはるか前に誕生していた、この名曲の背景からみてみましょう。
誰もが知るスタンダード・ナンバー
『Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)』は、1961年にリリースされたベン・E・キングの代表曲。
ベン自身は当初、この曲を所属するドリフターズの曲にしようと考えていたそうです。
ところがマネージャーの反対に遭い、結局はソロ名義でリリースすることになったのだとか。
発売後は、みごとビルボードのR&Bチャートで1位を記録。
Hot100でも、最高4位のヒットとなりました。
この曲が放つ普遍的なメッセージは時代を超えて愛され、当時から現在に至るまで、世界各地で数多くのミュージシャンたちにカバーされ続けています。
歌も映画も不朽の名作↓↓↓
25年後に再び大ヒット
そんな60年代を代表する名曲が、1986年公開の映画『スタンド・バイ・ミー』の主題歌に起用され、再び脚光を浴びることに。
選考理由は、この作品が1959年という時代を描いた物語だから。
そして何より、監督がこの曲名を映画のタイトルに決めたことでした。
作品全体のノスタルジックな雰囲気にぴったりで、まるで映画に合わせて書き下ろされたと錯覚してしまうほど。
映画の成功を受けて主題歌もシングルで再発され、ビルボードHot100で最高9位にランクイン。
イギリスやカナダのチャート、日本(オリコン洋楽チャート)では首位を獲得しました。
マイケルは好きだけど、もし彼の楽曲が使われてたら正直、こんな人気作にはならなかったんじゃないかな…。
誕生の裏に元ネタあり?!
『Stand By Me』はベン・E・キング自身、そしてジェリー・リーバーとマイク・ストーラーという、アメリカ人ライターコンビの3人によって作られました。
ところが、実はこの曲には元ネタがあるのをご存じでしょうか?
牧師で作曲家のチャールズ・アルバート・ティンドリーが、1905年に作ったゴスペルで、その名も『Stand By Me』。
そのままのタイトルだけでなく、歌詞の内容もやんわりかぶってますw
ただし、ゴスペルの『Stand By Me』からインスパイアされて作った、と作者であるマイク・ストーラー自身が明言しているようなので、お咎めはナシで。
てゆーかこれだけの名曲が作れるならもう、誰も文句ありませんよね。
元ネタになった曲↓↓↓歌詞付きなので、ぜひ比べてみてください。
ベン・E・キングについて
ベン・E・キング(Benjamin Earl Nelson)は、1938年9月28日生まれ。
中学生のころには、友人たちと組んだコーラス・グループで頭角を現していたといいます。
そして1958年に、当時すでに人気だったグループ「ザ・ドリフターズ」に、リード・ボーカルとして加入。
『Dance With Me(ダンス・ウィズ・ミー)』や、『Save the Last Dance for Me(ラストダンスは私に)』などを、大ヒットへ導く活躍を見せました。
そんな、グループが人気絶頂期を迎えていた1960年、ベンはソロ・アーティストへの転向を決意。
セカンド・シングルが、彼の代名詞となる『Stand By Me』だったのです。
その後も、『Don't Play That Song(ドント・プレイ・ザット・ソング)』や『I Who Have Nothing(アイ・フー・ハヴ・ナッシング)』などのヒット曲を残しました。
2015年4月30日、76歳で亡くなっています。
ドリフターズにも良い曲がたくさんあるよ↓↓↓
映画について
主題歌よりも後に作られた映画ですが、どのような作品なのでしょうか?
つづいて、青春映画の金字塔との呼び声が高い本作について、ご紹介したいと思います。
作品について
映画「スタンド・バイ・ミー」は、1986年公開のハリウッド映画。
原作は、”ホラーの帝王“ことスティーブン・キング。
「シャイニング」や「キャリー」、「IT/それが見えたら終わり」など、彼の小説は幾度となく映画化されていますが、本作はノスタルジックな冒険ストーリーです。
監督は、’90年公開「ミザリー」でもキングの本を映画化している、ロブ・ライナー。
当時カリスマ的人気を誇った、故リバー・フェニックスの出世作としても有名です。
もちろん、アカデミー賞(脚本賞)やゴールデングローブ賞(作品賞/監督賞)も受賞しています。
キング作品だけに、ホラーと勘違いしちゃうよね。
あらすじ
作家のゴードンは、「ゴーディ」と呼ばれていた12歳のころの日々を思い出していました。
当時の彼には3人の親友がいて、自分も含めたそれぞれが苦い事情を抱えていました。
ある日、いつものように一緒に遊んでいた4人の耳に飛び込んできたのが、3日前に行方不明になった少年の死体が森の奥に残されているという情報。
それを見つければヒーローになれると考えた彼らは、4人で死体探しの旅に出るのですが…。
出演者にも注目
昔から、映画「スタンド・バイ・ミー」とセットで語られるのが、若くしてこの世を去ったリバー・フェニックスの存在。
作中では、主人公ゴーディの一番の理解者でしっかり者のクリスを、まだ幼さの残る彼が好演しています。
そして、この映画が排出したもう1人のスターといえば、キーファー・サザーランドです。
2001年からシリーズ化した大ヒットドラマ、「24 TWENTY FOUR」の主人公ジャック・バウアー役で、中年期から大ブレイクを果たしました。
本作ではまだ10代だった彼が、不良グループのリーダー、エースとしてばっちり存在感を放っています。
子供から大人まで、鑑賞した時の年齢で感じ方が変わるのもこの作品の魅力↓↓↓
カバーも豊作
多くの一流アーティストたちがこぞってカバーする曲こそ、名曲の証。
中でも『Stand By Me』は、群を抜いてカバーされてます。
豊かな響きと深みのあるベンの声が魅力的なのは言うまでもありませんが、ぜひほかのver.で曲自体のすばらしさを味わってみてください。
ジョン・レノン(1975年)
ビートルズ解散後のジョン・レノンのver.は、もっとも知られたカバーかもしれません。
全編にわたって、バックを支えているギターカッティングが印象的。
ヨーコと2人で過ごす映像もステキ。
モーリス・ホワイト(1985年)
EW&Fのモーリス・ホワイトがソロでリリースしている、どこから切っても’80sなver.。
モーリス節が炸裂したポジティブなアレンジが、1周まわってもはや新鮮です。
プレイング・フォー・チェンジ(2002年)※字幕機能あり
証券会社のCMでもおなじみ、人種も宗教も国境も超えて、世界を音楽でつなげるプロジェクト。
一般的には無名のミュージシャンたちの演奏を世界各地で録画して、それをひとつに編集。
音楽の本質を垣間見るようで、マジで胸に響きます。
ジョン・レジェンド&サム・スミス(2020年)
2012年から毎年続く音楽フェス「グローバル・シチズン」。
パンデミックの影響で中止となった2020年に、ジョン・レジェンドとサム・スミスがリモートでこの曲をデュエットしました。
ピアノ1本という伴奏だけに、2人の魅力と実力がくっきりと浮き彫りになっています。
ぜんぶ観るには一生かかりそうだけど(苦笑)
最後はやっぱりご本人登場で。リバイバル・ヒット後のライブ映像↓↓↓
最近はもう、ベンさんの作品はベストでしか入手できないので、とりあえずゲットしましょう↓↓↓