これまで学んできた音楽理論が生きてくるよ。
だって「キーはどうする?」とか「この曲のキーは…」って、いかにもミュージシャンらしい会話でしょ。
音楽の「キー(調)」ってなに?
「Cメジャー」とか「Fマイナー」とか詳しいことはわからなくても、「キー」という言葉だけなら皆さんカラオケで聞いたことがあるのではないでしょうか?
半音上げたり下げたり、あれこそまさに歌う曲のキーを変更しているのです。
キー(調)とは
キー(key)とは、基準になる音(主音)を1つめの音とする音階のこと。
日本語では調といいます。
キーは音階に結びついているので、音階と同じくメジャー(長調)とマイナー(短調)があります。
たとえば「G(ト)」が主音の長音階の曲なら「Gメジャー(ト長調)」、「D(ニ)」が主音の短音階ならその曲は「Dマイナー(ニ短調)」です。
Gメジャースケールは主音がG(ト)なので、階名ではGが「ド」になります。
「音階?なにそれ?!」というあなたは音階のページを読んでね。 音階(スケール)とは、全部で12個ある音のうち7つを並べた配列のこと。規則性がわかれば難しいものではないので、まずはいったん最後までさっと読み進めてみてください。 続きを見る
【音楽理論これだけは】④音階(スケール)は規則性に従うだけ
調号とは
キー(調)は調号によって決まります。
調号とは、楽譜の左端にあるト音記号やヘ音記号の、すぐ右となりに書かれた変化記号(♯シャープ/♭フラット)のこと。
ピアノでいうと白鍵だけの音階で構成される、Cメジャー(ハ長調)とAマイナー(イ短調)には調号はいりませんが、それ以外のキーには♯や♭が必要です。
「記号?はて、なんのことかな?!」というあなたは音楽記号のページを読んでね。 音楽ライフにはもちろん、これから音楽理論を学ぶ上で欠かせない主要な音楽記号の名前を覚えましょう。ト音記号やシャープといった、基本的な5つの記号について解説します。 続きを見る
【音楽理論これだけは】②最初に覚えておくべき音楽記号5選
次に下の楽譜を見てください。【楽譜①】
たとえば、Gメジャー(ト長調)の曲は音名のファ(F)に♯が1つ付くのですが、楽譜に書くときにメロディーにファが出るたびに♯を書くのは大変ですよね。
ましてや♯が5つ6つ出てくるキーの場合、読みづらさもハンパないことに。
そこで、楽譜の最初に変化記号を宣言しておくことで、いちいち♯や♭を書く必要がないようにしたのが「調号」です。
つまり【楽譜①】なら、♯をこのように調号として書くのが一般的です。
調号と臨時記号
さきほどもお伝えしたように、調号はその曲が終わるまで有効。
かつ、音がどの高さでも(1オクターブ上でも、2オクターブ下でも)有効です。
これに対して臨時で付けた変化記号を、臨時記号と呼びます。
そのまんまのネーミングw
臨時記号が有効なのは曲が終わるまでではなく、その小節が終わるまで。
また、調号と違って書かれたのと同じ高さの音にだけ効力があります。
下の楽譜⇩を見てください。【楽譜②】
調号としてシとミに♭が付く「B♭メジャー」というキーの曲なのですが、ピアノでどの音が白鍵でどの音が黒鍵になるかわかりますか?
弾き方を説明すると、下記のようになります。
〇…調号どおりシのフラット(B♭)。
〇…ナチュラルが付いたのでフラットなしのシ(B)。小節が終わるまでナチュラルは有効なので2つめの〇の音にもフラットは付けません。
〇…音の高さは1オクターブ違いますが、どちらのミにも調号に従いフラットを付けて弾きます(E♭)。
キーの種類と仕組み
キーの種類は、調号なしのメジャーキーとマイナーキーが1コずつ、そして♯系と♭系のについてもメジャーキーとマイナキーがそれぞれ7コずつ。
初めて見た人は「こんなにたくさん?!」とびっくりするかもしれませんが、逆にこれ以上はありません。
つまり、1度覚えれば一生の宝。
といっても、覚える前も曲のキーを知りたい時に下の表を見て調べればOKです。
調号ナシ
調号がないのはCメジャー(ハ長調)とAマイナー(イ短調)だけ。
これ以外のキーにはすべて♯や♭の調号が必要になります。
Cメジャー(ハ長調) | |
Aマイナー(イ短調) |
調号一覧♯(シャープ)系
♯シャープ系キーの一覧です。調号は同じでもメジャーキーとマイナーキーが存在します。
「嬰」というのが♯の日本名で、読み方は「えい」です。
Gメジャー(ト長調) | |
Eマイナー(ホ短調) | |
Dメジャー(ニ長調) | |
Bマイナー(ロ短調) | |
Aメジャー(イ長調) | |
F♯マイナー(嬰へ短調) | |
Eメジャー(ホ長調) | |
C♯マイナー(嬰ハ短調) | |
Bメジャー(ロ長調) | |
G♯マイナー(嬰ト短調) | |
F♯メジャー(嬰へ長調) | |
D♯マイナー(嬰ニ短調) | |
C♯メジャー(嬰ハ長調) | |
A♯マイナー(嬰イ短調) |
調号一覧♭(フラット)系
♭系キーの一覧です。調号は同じでもメジャーキーとマイナーキーが存在します。
「変」というのが♭の日本名で、読み方は「へん」です。
Fメジャー(ヘ長調) | |
Dマイナー(ニ短調) | |
B♭メジャー(変ロ長調) | |
Gマイナー(ト短調) | |
E♭メジャー(変ホ長調) | |
Cマイナー(ハ短調) | |
A♭メジャー(変イ長調) | |
Fマイナー(へ短調) | |
D♭メジャー(変ニ長調) | |
B♭マイナー(変ロ短調) | |
G♭メジャー(変ト長調) | |
E♭マイナー(変ホ短調) | |
C♭メジャー(変ハ長調) | |
A♭マイナー(変イ短調) |
キーの仕組み
前述の調号一覧を見て気付いた人もいるかもしれませんが、調号は1つずつ増えていく順番が決まっています。
♯の付く順番は音名で
「ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ」の順。
♭は
「シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ」の順。
つまり、#と逆の順番で増えていきます。
ちなみに、調号は♯系と♭系に分かれていて混在することはありません。
♯系なら♯だけの数が増えるし、♭系なら増えるのは♭だけ。
また、一覧で見てもわかるように、同じ調号の「メジャーキー(長調)」と「マイナーキー(短調)」が1つずつあります。
メジャースケールの主音の短3度下がマイナースケールの主音。
逆に、マイナースケールの主音から短3度上がメジャースケールの主音です。
つまり、メジャーキーがわかればマイナーキーがわかり、マイナーキーがわかればメジャーキーがわかるようにできています。
「短3度?なんじゃそりゃあぁぁ?!」というあなたは音程のページを見てね。 音と音の距離を意味する「音程」。理論を抜きにしても、歌や楽器を演奏するうえで意識しない人はいないでしょう。スケールやコードの基礎にもなるので、じっくり理解しましょう。 続きを見る
【音楽理論これだけは】③音程を理解して音と音の距離を表そう
今回はいままでの初心者講座で覚えた知識が生かされる回になったはず。