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ボーカリストにお役立ち

あなたはやってる?歌った後のクールダウンの効果とやり方

UnsplashToa Heftibaが撮影した写真

 

さくらだくん
さくらだくん
おいら今日はちょっと長い時間、歌の練習がんばったよ。
ソメイP
ソメイP
じゃあ、練習後のクールダウンも念入りにやった?
さくらだくん
さくらだくん
クールダウン?!
ウォーミングアップならやったけど?
ソメイP
ソメイP
もちろん、歌う前のウォーミングアップも欠かせないけど、歌った後にのど周りの筋肉疲労をケアすることも大切だよ。

 

 

クールダウンとは

競技に限らず、アスリートたちは普段から準備運動だけでなく、整理運動も行うのが当たり前。

ボーカリストも、歌う前にも後にも自身の身体をケアすることで、パフォーマンスの向上やケガの予防につながります。

 

 

そもそも「クールダウン」って?

一般的に、クールダウン整理運動せいりうんどうというのは、はげしい運動をした後にする軽い運動のこと。

ゆっくりと筋肉をほぐしリラックスさせることで、全身への負担が軽減し、疲労が残りにくくなります。

逆にこれをしないと、体内に乳酸にゅうさんなどの疲労物質が蓄積ちくせきして筋肉がかたくなるので、筋肉痛ケガを発症しかねません。

また、急に運動を止めると筋肉内の血液が循環じゅんかんしづらくなりますが、軽い運動によって血流が促進そくしんされると、筋肉にも酸素や栄養がりこまれます。

 

つまりクールダウンには、筋肉の柔軟性を回復させるだけでなく、運動によって傷ついた筋組織の修復をうなが効果があるのです。

ボーカリストの皆さんも、せっかくのトレーニング効果を無駄にしないため、さらにポリープ声帯結節せいたいけっせつといったトラブル予防のためにも、ぜひクールダウンを習慣にしてください。

 

 

恐ろしいのどのトラブルについては、こっちで解説↓↓↓

 

 

いつ・どのくらいやればいい?

アスリートがクールダウンにかける時間は、5~15分くらいが効果的といわれています。

歌の場合も、可能であれば10~15分かけるのが理想ですが、そこまで時間が取れないときも、5分くらいは確保しましょう。

 

また、タイミングとしては歌い終わったらすぐ、遅くとも30分以内

筋肉がゆるんで伸ばしやすいため、のど周りの筋肉が冷えないうちに行うのがポイントです。

少しずつ負荷を減らすような軽い発声に移っていって、歌う前の状態に戻しましょう。

 

 

声帯は無痛神経

声枯こえがれや風邪のときなど、扁桃腺へんとうせんあたりがれて痛みを感じた経験は、誰にでもあるはず。

でも、歌っていて「声帯が痛い」と感じたことはあるでしょうか?

 

実は、声帯の筋肉は無痛神経むつうしんけいという痛みを感じない神経でできてきます。

そのため、声帯はかなり酷使こくしした状態であっても、自分では疲労ひろうや痛みに気づくのが難しいので、日頃から注意が必要です。

スポーツをしていて、腕や足の筋肉が疲れたらその日のトレーニングを止めることができますが、声帯の筋肉にはそれができません。

だからこそ、歌った後は意識的に、クールダウンで疲労物質ひろうぶっしつを筋肉の外に出してあげる必要があるのです。

 

 

さくらだくん
さくらだくん
練習熱心なボーカリストほど、声帯の疲れに気づかずに、いつのまにか喉声のどごえになりがちなんだよね。
ソメイP
ソメイP
日ごろから声帯の調子を意識して、少しでも違和感があるときは、いったん練習はストップしましょう。

 

 

 

歌った直後のクールダウン:おすすめ3種

ここからはいよいよ、歌った直後にやるべき具体的なクールダウン方法をご紹介します。

dressing room

UnsplashMegが撮影した写真

 

 

①リップロール

くちびるを閉じた状態で息を吹いたときに、「プルルルルルルル…」とくちびるが高速で震えるのが、「リップロール」

「リップトリル」とも呼ばれる、すぐれたトレーニング方法です。

 

口

ウォーミングアップとしても紹介しましたが、表情筋やのどの筋肉をほぐす効果が高く、クールダウンにも非常にオススメ。

最初のうちは長く続かないかもしれません。

その場合は、口角こうかくを少し指で持ち上げるとやりやすくなります。

 

なお、クールダウンでは、音程も長さも無理する必要はありません。

楽に出せる高さの音(またはそれの1音上くらい)から始めて、半音ずつゆっくり下げていきましょう。

もちろん、音程をつけないで息だけで出してもOKです。

 

 

②エッジボイス

「ブツブツ」とも「ガラガラ」とも聴こえる不思議な声です。

声帯に余計な力が入っていると出せない音なので、クールダウンにピッタリ。

日本では「エッジボイス」という名前で知られていますが、英語では「ボーカルフライ(vocal fry register)」と呼ばれます。

声帯閉鎖筋せいたいへいさきん」をきたえる効果があるため、声帯閉鎖せいたいへいさの練習としても定番の発声法です。

vocal cords

クールダウンにおいては、楽な音程&楽な母音(あ・い・う・え・お、どれでもOK)でロングトーン。

閉鎖筋へいさきんをほぐしてあげましょう。 

 

出し方は、ふつうに「あー」と発声してどんどん音程を低くすると、声がくっきりしなくなるポイントにぶつかるはず。

それが、エッジボイスです。

イメージしづらい人も、映画呪怨じゅおんのモノマネをするうちに、「あ゛あ゛あ゛あ゛」とできるようになるパターンも多いのだとか。

 

 

海外の先生が解説してるレッスン動画↓↓↓日本語字幕つき

 

 

③ストレッチ

歌う前にも後にもストレッチをして、身体をほぐしましょう。

クールダウンとして優先してゆるめたいのは、首周り。

時間に余裕があれば、さらに腕や肩、腰を回して全身をリラックスさせましょう。

やり方はウォーミングアップと同じです。

 

stretch

1:頭を前後・左右に傾ける。
2:首をゆっくり回す(逆回転も)。
3:首のすじとあごの下を手でほぐす。

 

 

 

歌ったその日のクールダウン:3つのポイント

ボーカリストなら1年365日、いつものど気遣きづかった生活を送るのが理想的。

「いつの間にか、ケアがおろそかになりがち」という人も、練習や本番などで歌ったその日1日くらいは、意識的にのどいたわってあげましょう。

 

 

①とにもかくにも水分補給

歌う前・最中・後、そして日常生活でボーカリストが最も忘れちゃいけないのが、水分補給

声帯をスムーズに振動させる、つまり声を生み出すためには、動きをなめらかにしてくれる薄い粘液ねんえきの層が欠かせません。

「あ、だから水分補給が大切なのね!」

と思ったアナタ、残念ながらそんな即効性はないんです。

 

人間の体の構造上、飲んだ水がそのまま声帯に届くわけではありません。

粘液ねんえき分泌ぶんぴつされるには、摂取せっしゅした水分が先に消化器系で処理される必要があるのです。

のどかわきを感じるころには、すでに脱水症状は始まっていて、粘液ねんえきが濃くなっています。

すると声帯をスムーズに動かす助けができず、声質が悪くなったり声帯の故障を引き起こしたりしかねません。

アフターケアに限らず、日頃から水分補給を意識しておきましょう。

 

 

実は【裏技】があって、吸入器きゅうにゅうきなら直接的に水分が声帯に届きます↓↓↓ただし、粒子りゅうしが細かいことが条件。

 

 

②のど飴/スプレー/ハチミツ

歌った後、のどに痛みを感じたら、のどあめのどスプレーを使うという人は多いはず。

ご存じの通り、これらのアイテムにはのど炎症えんしょうしずめる成分が入っています。

痛みを感じた時に限らず、練習や本番で歌った後はのどあめを口に放り込んでください。

無自覚の炎症えんしょうおさえる意味でも、また、わずかな炎症部分えんしょうぶぶんから風邪や病気のウィルスに感染するのを防ぐためにも、有効です。

 

しかし実のところ、あめやスプレーに比べるとお値段は張りますが、いちばんのオススメはハチミツ

自然由来の安心感があり、何より殺菌さっきん作用・粘膜保護ねんまくほごといった効果の高さでいえば、むしろ高コスパ

ネックとなる持ち運びに関しても、個包装タイプならポケットに入れておいて、移動先のスタジオやライブハウスですぐ口にすることができます。

 

 

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③大声出さない&しっかり眠る

大声での会話がのどに負担をかけることは、いうまでもありません。

練習や本番が終わったら、大声に限らず、できるだけ声を出さずに声帯を休めてください。

とはいえ、そのまま1日中だれともしゃべらないというのは、なかなか難しいもの。

30分とか1時間とか、一定の時間だけ沈黙ちんもくを保って、おしゃべりはそのあと。

これだけでもだいぶ違います。

 

しかし、声帯を休めるのにもっとも大切なのは、睡眠すいみんです。

のどにとってはもちろん、体調を管理する意味でも睡眠不足は大敵。

また、いくら睡眠時間をじゅうぶん確保していても、寝ている間にのどを乾燥させてはいけません。

加湿器などで寝室の湿度を調節したり、マスクを着けて寝るなど、乾燥にはじゅうぶん注意しましょう。

 

 

調湿やおすすめグッズについては、こっちで詳しく解説してます↓↓↓

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さくらだくん
さくらだくん
これからは、ウォーミングアップだけじゃなくて、クールダウンも忘れずにやるよ。
ソメイP
ソメイP
ちなみに、クールダウンのときも正しい呼吸姿勢は基本だから、悪いクセがある人はそれも意識してね。

 

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