※声の種類についてはこちら↓↓↓で解説しています。 チェストボイスやヘッドボイス、ミックスボイスなど、ひと口に「歌声」といっても、実はいくつも違うタイプの声が存在しています。自分に合ったスタイルを選ぶと格段に歌が良くなるので、ぜひ相性の良いものを探して、上手に組み合わせて使いましょう。 続きを見る
チェスト、ヘッド、ミックス…歌声「〇〇ボイス」8種
チェストボイスとは
以前、歌声にはいろんな種類があることをお伝えしました。
中でもチェストボイス・ヘッドボイス・ミックスボイスは、ボーカリストなら誰もがおさえておきたい3つです。
今回はその中の「チェストボイス」について、詳しくご紹介しましょう
チェストボイスとは
チェストボイスとはChest(チェスト)、つまり胸に響かせる声のこと。
日本語で「胸声」とも呼ばれます。
低い声を発しているときに胸に手を当てると、そこに響く感じがするのがわかるでしょう。
これがチェストボイスの基礎です。
意識的にトレーニングをしなくても、これだけなら誰でもできていると思います。
ふだん話をしているときの声(=地声)に近いのですが、ただの地声が無意識に発声した自然な声である一方、チェストボイスは意識的に響かせる声です。
体に響かせるので声に深みが出ます。
低音域を強化したい人はもちろん、発声の基礎がつまっているので、歌が上手くなりたいならぜひマスターしておきましょう。
チェストボイスで歌うメリット
そもそも地声に近いため、自分の声が持つ本来の特徴が出やすいのが、チェストボイス最大の魅力。
そのうえ低音域に芯ができるので、歌に安定感が生まれます。
人前でのスピーチや日常会話でも、チェストボイスで話すと堂々とした印象を与えるでしょう。
また、チェストボイスの太さや迫力は、ロックなど音に厚みのあるジャンルや力強く表現したい曲にぴったり。
そのため、日ごろから歌声が弱々しいという悩みを抱えるボーカリストは特に、チェストボイスを鍛えることをオススメします。
さらに、チェストボイス習得のメリットは表現に関してだけではありません。
胸腔に響かせるので基本的な声量がアップし、低音域だけでなく高音域も出しやすくなるでしょう。
チェストボイスの出し方
では、ここからはいよいよチェストボイスの出し方をご紹介。
チェストボイスには次に挙げる2つの要素が必要です。
ひとつずつ感覚をつかみましょう。
チェストボイスの出し方その①喉を開く
チェストボイスをマスターするための第一歩は、喉を開くことです。
「喉を開く」と言われても「???」となる人が多いと思いますが、要するに口の奥にある空間を開いて共鳴させるということ。
具体的には、軟口蓋を上げて喉仏を下げます。
軟口蓋とは、口の天井にある骨のない柔らかい部分のこと。
舌の先でも確認できるでしょう。
一方の喉仏は、男性なら鏡で自分の首元を見ればわかりますね。
女性の場合はわかりづらいので、喉に手を当てて確認してみてください。
唾を飲み込んだときに動く部分です。
軽く口を開けて軟口蓋を上げ、喉仏が下がった状態で口から軽く息を吸うと、喉の奥に空気が通って涼しく感じられるはず。
これが、喉が開いた状態です。
チェストボイスの出し方その②声帯を閉じる
チェストボイスは、声帯がしっかりと閉じられている発声です。
声帯とは、喉仏の奥にある2枚のひだ。
両方のひだがくっつくことで、息が声に変わります。
これがしっかり閉じていない、いわゆる「息漏れ声」にならないよう、声帯を完全に閉鎖させる感覚をつかみましょう。
練習としてはまず体をリラックスさせて、ステップ①の「喉を開いた状態」で呼吸します。
そして、吐いている途中で息を止めてください。
このとき、喉ではなく腹筋で止めるのがポイントです。
慣れてきたら、息に声を乗せて低い音域での音階練習をすると良いでしょう。
声帯閉鎖の練習には、以前に紹介している「エッジボイス」もオススメです。
チェストボイス発声のポイント
「せっかく練習したのに、前より響くようになんてならないじゃないか!」とお怒りのアナタは、次の3つのポイントができていないのかも。
いまできているという人にとっても忘れちゃいけない重要ポイントなので、覚えておきましょう。
姿勢
チェストボイスの発声にも、正しい姿勢が必要です。
そもそも歌に限らず、呼吸による空気を肺に入れるためには、体がまっすぐになっている必要があります。
猫背だと十分な空気の出し入れが難しいだけでなく、気道が曲がって喉を痛めることにもなりかねません。
※ただしい姿勢の取り方はこちら↓↓↓ 意外と多くの人が歌うときに無意識になりがちなのが、姿勢。しかし体が楽器のボーカリストにとって、歌うときの姿勢はとても重要です。見ばえが良くなるだけでなく、喉声や音程の不安定さといった問題の解決にもつながります。 続きを見る
喉声や音の不安定さも一気に解決!歌うときの姿勢について
脱力
チェストボイスを発声するためには、余計な力の入っていないリラックスした状態であることも条件です。
体が固くなっていると、声を体に響かせることができません。
喉はもちろん、首や肩の脱力もクセづけましょう。
声は胸に、顔はまっすぐ
前述した2つの要素をマスターしたら、鼻腔で響く声を胸に落とすようなイメージで発声しましょう。
また、多くの人は慣れてくると意識が薄れて、顎が上がりがち。
すると、口の奥で喉仏も一緒になって上がってしまうので、口の奥の空間が狭くなってしまいます。
もちろん、逆に顎を下げすぎるのも気道を狭めるのでNGです。
喉仏が常に下がった状態になるよう、顔はまっすぐ前を向いてください。
喉を開いたり声帯を閉じたりするのは、チェストボイス以外の歌声をマスターするのにも役立つから、早めにコツを掴んでおくことをオススメします。