去年なんて日本人の間でも、BTSの受賞が期待されてたしね。
60年以上の歴史があるんだ。
グラミー賞とは
まずは、世界中の音楽ファンが毎年大注目するこの賞について、説明します。
グラミー賞とは
グラミー賞(Grammy Awards)というのは、ミュージシャンやプロデューサーをはじめとする音楽関係者の組織「ザ・レコーディング・アカデミー」が主催するアメリカの音楽賞。
音楽業界で、優れた作品を作ったクリエイターを称えるお祭りです。
映画界の名誉「アカデミー賞」の音楽バージョン、と言えばわかりやすいでしょうか。
毎年1~3月にL.A.かN.Y.で行われる授賞式には、大物ミュージシャンから注目の新人まで、有名人が大集結。
発表の様子やライブパフォーマンスは、全米のみならず世界中で放送されます。
2023年からは2月に開催されていて、どちらもL.A.のクリプト・ドットコム・アリーナが会場でした。
グラミー賞って全部で何部門あるの?
毎年、授賞式直前になると「だれそれが○○○部門でノミネートされた」というような報道が出ますが、中には聞いたことのないような部門の名前も。
というのも、音楽は常に流行が移り変わるもの。
新たな人気ジャンルが生まれた年にはグラミー賞でも新部門が創設され、逆に支持層が薄くなった部門は廃止されたりするため、毎年カテゴリー数は流動的に変わります。
かつて、2011年には全部でなんと109部門もありましたが、さすがに多すぎるという意見により翌年は78部門まで減りました。
ちなみに直近、2024年に開催された第66回グラミー賞は全部で94部門でした。
主要4部門と2024年の結果
どんな部門であれ、グラミー賞を受賞するということは音楽関係者にとってこれ以上ない名誉。
中でも特に、注目度が高く価値があるとされているのが、いわゆる「主要4部門」です。
・最優秀レコード賞(Record Of The Year):対象期間内に発表された最も優秀なシングル曲。
・最優秀アルバム賞(Album Of The Year):対象期間内に発表された最も優秀なアルバム。
・最優秀楽曲賞(Song Of The Year):対象期間内に発表された最も優秀なソングライター(作詞・作曲)。
・最優秀新人賞(Best New Artist):対象期間内に楽曲を発表した最も優秀な新人アーティスト。
2024年の「最優秀レコード賞」は、43か国で1位という世界的大ヒットとなった、マイリー・サイラスの『Flowers(フラワーズ)』で、彼女はポップ・ソロ賞との2冠となりました。
「最優秀アルバム賞」には、ますます絶好調なテイラー・スウィフトの『Midnights(ミッドナイツ)』が選ばれ、史上最多となる4度目の受賞という快挙に。
映画『バービー』の挿入歌としても絶賛された、ビリー・アイリッシュの『What Was I Made For?(ホワット・ワズ・アイ・メイド・フォー)』が、今年の「最優秀楽曲賞」。
そして期待のホープ「最優秀新人賞」は、ソングライターとしてはすでに大物のヴィクトリア・モネが満を持して獲得しました。
そして、なんといってもテイラー・スウィフト!
史上初となる、通算4度目の「最優秀アルバム賞」獲得で注目を集めました。
栄光の数々
つづいて、受賞者たちに注目してグラミー賞をみてみましょう。
どうやって決まる?
グラミー賞は、音楽関係者によって選出される賞。
レコーディング・アカデミーに属する1万人以上の会員の投票で、受賞者が決まります。
セールスやチャートランクに左右されず、あくまで作品のクオリティで判断することが条件とされていますが、選考については毎年問題が指摘されます。
とはいえ、大勢の音楽関係者に選ばれるのだからやはり音楽に魂をささげるミュージシャンにとっては、これ以上ない誉れ。みんなの憧れなのです。
2023年は、ビヨンセが歴代最多とか言ってたような…。
ほかにはどんな人たちが受賞してきたのか、過去の受賞数トップ10を見てみよう。
歴代の最多受賞者トップ10
同率が多いので順位としては8位まで、10組のアーティストの紹介となっています。
第8位:デービッド・フロスト(受賞25回&ノミネート34回)
第8位:ウラディミール・ホロヴィッツ(受賞25回&ノミネート45回)
第8位:スティーヴィー・ワンダー(受賞25回&ノミネート74回)
第6位:ピエール・ブーレーズ(受賞26回&ノミネート67回)
第6位:ジョン・ウィリアムズ(受賞26回&ノミネート76回)
第4位:アリソン・クラウス(受賞27回&ノミネート44回)
第4位:チック・コリア(受賞27回&ノミネート72回)
第3位:クインシー・ジョーンズ(受賞28回&ノミネート80回)
第2位:ゲオルグ・ショルティ(受賞31回&ノミネート74回)
第1位:ビヨンセ(受賞32回&ノミネート88回)
2023年は、とうとうビヨンセが最多受賞数の記録を更新しました。
ちなみに、2022年まで長きに渡って首位を守っていたのは、あのゲオルグ・ショルティ!
そうですね。
えげつない受賞数を誇るのに、一般的には正直あまり知られていませんよね。
ゲオルグ・ショルティさんは、クラシック界の大物指揮者でありピアニスト。
残念ながら'97年に亡くなっていますが、多くの名盤を残しています。
簡単に抜かせないと思われた大記録でしたが、ビヨンセ姉さん、さすがです!
伝説のグラミー・パフォーマンス
グラミー賞授賞式は、人気・実力ともに世界トップの豪華アーティストたちのライブパフォーマンスも魅力。
一夜限りの夢の競演が観られるということもあり、毎年注目されます。
歴代のパフォーマンスの中から、グラミーという大舞台における出演者の気合いが伝わる、いくつかの名演をご紹介しましょう。
要チェックや!
エリック・クラプトン / Tears In Heaven (1993)
”3大ギタリスト”の一角、エリック・クラプトンはこの年、最優秀レコード賞と最優秀アルバム賞を含む6部門を制しました。
その最優秀レコード賞に輝いたのが、亡き愛息に捧げたこの曲。
歴史あるグラミーのパフォーマンスの中でも、これほど観衆の涙を誘ったものも、そう多くはありません。
シャキーラ / Hips Don't Lie ft. Wyclef Jean (2006年)
ラテングラミーのイメージだったシャキーラが、初めて会場で行ったパフォーマンスは、フージーズのワイクリフを迎えて放ったヒット曲。
ステージを所狭しと暴れまわるハデな姿に会場も大盛り上がり。
まさに「お尻は嘘をつきません」ですよ。
オリビア・ニュートンジョン / I Honestly Love You (1975年)
最後に、パフォーマンスではないのですが、第17回の最優秀レコード賞の発表シーンを。
プレゼンテーターは、ポール・サイモンとジョン・レノン。
で、なぜか受賞したオリビアの代わりに、サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルがトロフィーを受け取っています。
当時の雰囲気が伝わる貴重な映像。
グラミー賞、おいらもいっちょ狙うとするか。
でも、最近のBTSとかBABYMETALの人気を見てると、今後アジア人が主要4部門を獲得する日も遠くないって思えるよね。
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