昨日も苦情が来ちゃったんだ。
静かにできるトレーニング方法もあるから、カラオケやスタジオでの練習と使い分けるのがオススメだよ。
ストレッチ
ボーカリストは身体が楽器。
最大限に身体が鳴り響くようにするためには、柔軟性の高いリラックスした状態を保つことが大切です。
ところが身体のコリや緊張は知らないうちに溜まってしまうので、身体が硬い人も柔らかい人も、柔軟体操は毎日でも続けたいところ。
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首周りのストレッチ
声帯を囲んでいる首の筋肉は、特にほぐしたい部分。
キープするときに手で軽く負荷をかけてあげると、より効率よくストレッチができます。
やりかた
1:両足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。このとき、両手は腰に。
2:首を前に倒して4秒間キープ。終わったら後ろに倒して4秒間キープ。腰が反らないように気を付けましょう。
3:同じく左右にも倒して、それぞれ4秒ずつキープします。
4:最後に右に2回・左に2回、頭をぐるりと回しましょう。肩の力を抜くのがポイントです。
顔のストレッチ
表情筋も、ボーカリストにとって非常に重要な筋肉。
歌っているときの表情の作り方は、そのまま楽曲の表現力に直結しています。
できれば鏡の前で、顔の隅々まで筋肉が動かせているか確認しながら行ってください。
最初はゆっくりからスタートして、慣れてきたら徐々にスピードアップしましょう。
やりかた
1:顔全体を使ってクッキリ・ハッキリと「アイウエオアオ」と言います。声は出しても出さなくても、どちらでも大丈夫。
2:そのまま「カキクケコカコ」「サシスセソサソ」…と50音順に、最後の「ワイウエヲアヲ」まで続けましょう。
舌のストレッチ
高音の発声にも大きく関わる舌筋や口元の筋肉も、自宅で無音のままトレーニングすることが可能です。
ここでは、お医者さんや歯医者さんも推奨している「あいうべ体操」をご紹介。
歌のためだけでなく、口呼吸の改善や顔のむくみ解消など、健康や美容の効果も期待できます。
やりかた
1:大きく口を開けて「あ~」と発音し、1秒キープ。
2:次に思い切り口を横に開いて「い~」でまた1秒、つづいて口をとがらせて「う~」で1秒、それぞれキープします。
3:さいごに「べ~」と言いながら舌を出して、そのまま1秒キープしてください。ベロを前方に出すのではなく、あごにくっつけるようなイメージで。
4:最初に戻って「あ」「い」「う」「べ」を何度も繰り返します。いつやってもいいですが、舌が乾く心配のない入浴中がオススメ。
コロナ禍のおこもり需要で、一時期は品薄だったヒット商品。管理人も持ってますが、口の周りにぎゅっと押し付けすぎないで使うのが良さそう。
ブレストレーニング
腹式呼吸のメリットや重要性については、前に解説したとおり。
自宅でできる無音ボイトレで横隔膜や腹筋を鍛えて、声量アップはもちろん、安定した歌声を手に入れましょう。
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ロングブレス
その名のとおり、長く息を吐くトレーニング。
途中で息が多くなったり少なくなったり、ましてや途切れたりしないよう頑張りましょう。
ロングブレスが長く安定してできるようになると、実際の歌でもロングトーンが安定して出せるようになります。
やりかた
1:肩が上がらないように意識しながら、大きく息を吸います。すると、お腹が膨らむはず。
2:歯と歯の間から「スーーー」(または「フーーー」)と、細く長く息を吐き続けてください。
3:「スー」音の大きさが一定になるよう保ちます。最初は20秒キープでも苦しいかもしれませんが、1分間以上吐き続けられるのを目標に続けましょう。
ドッグブレス
こちらも名前のとおりですが、犬の呼吸の真似のこと。
横隔膜を上手に使えるようになり、息を吐くスピードのコントロールや楽な発声につながります。
最初のうちは、回数をたくさん続けるのが難しいはず。
苦しくなったら一度ゆっくり息を吸いなおして、リセットしてから再開する、を繰り返して練習しましょう。
やりかた
1:走ったあとの犬のように、「ハッハッハッハッ」と小刻みに息を吐きます。ムラのない一定量の息を吐くことを意識してください。
2:そのまま1分を目安に続けましょう。口で浅く呼吸するのではなく、横隔膜で息を吸ったり吐いたりするイメージを持つことが大切です。
3:最初はゆっくりから初めて、慣れてきたら徐々にスピードアップ。メトロノームを使って、1分くらい続けられるテンポを探りながらトレーニングしていきましょう。
手っ取り早く呼吸筋トレーニンググッズを使うのも手。B'〇の稲葉〇志さんもこれで鍛えたというウワサです。
声帯トレーニング
ここからは声帯のトレーニング。
なので、正確にいうと「完全な無音」ではなく「ほぼ無音」になります。
とはいえ、壁の薄いひとり暮らしのお部屋でもご近所迷惑にならないボイトレなので、安心して毎日続けてください。
声帯閉鎖
声帯は2枚のひだからできていて、呼吸時はこの間を空気が通ります。
そして、空気が通るときにひだがくっついていると振動して音(声)になる、という仕組み。
声帯の周りにある筋肉は声帯を閉じるときだけでなく、音量や音程、声質を変えるときにも使っています。
つまり、声帯閉鎖のトレーニングをすることが、歌ウマにつながるのです。
まずは声帯が開閉する感覚をつかみましょう。
やりかた
1:無理のない高さの音で「あー」と声を伸ばします。
2:伸ばしている最中に、声をピタッと止めてください。
3:ふたたび「あー」と声を出します。
4:1~3を繰り返してください。息を止めたときに声帯が閉じて、声を出したときに声帯が開く、という感覚をおぼえましょう。
エッジボイス(ボーカルフライ)
もうひとつ、声帯閉鎖の練習にオススメなのが「エッジボイス」。
声帯を閉鎖した状態を、最低限の力で保つトレーニングです。
英語に合わせて「ボーカルフライ(vocal fry register)」とも呼ばれます。
ホラー映画で幽霊が発するような「ブツブツ」とも「ガラガラ」とも聞こえる声で、「あ゛」と表現する人もいますね。
発声器官が適度に脱力していないと、この声は出せません。
まずは、ムラなく長く出せるようになりましょう。
やりかた
1:身体をリラックスさせましょう。そして、楽な高さの音で「あー」と声を伸ばします。
2:半音ずつ音を下げていきます。
3:自身の最低音まできたら、そこからさらに低い声を出そうとしてみてください。
4:「あ゛あ゛あ゛あ゛―」という音になったら成功です。
↓冒頭の0:07くらいで聞こえるのがエッジボイス。慣れてきたらこの動画のように、スケール(音階)で練習すると良いでしょう。※字幕あり
うまく感覚がつかめない、もっといろいろなやり方が知りたい、という人はマンツーマンのボーカルスクール で直接、プロのボイストレーナーに見てもらうのがオススメです。
ホントだ!これならうちのアパートでも毎日練習できるじゃん!
練習してるときに喉が乾燥したり、イガイガする感じがしたら喉を痛めている可能性があるよ。